縁:
おっと、遅いなあ。
頭にちょうちょが止まっちまうぜ?
浪人:
……く……っ、
なんてぇ力だ……!
縁:
なーんだ。思ったより雑魚だったなぁ?
浪人:
なん……だと……っ!
縁:
そんな足腰じゃあ、
お前らのこきおろしてた柳生の倅なんかには
逆立ちしたって勝てないだろうねぇ。
浪人:
……っ、くそ、離しやがれ!
縁:
あいつが本当に親の七光りで俸禄もらってるお坊ちゃん侍かどうか、
ぜひとも知ってもらいたいところだが……。
縁:
奴とやり合うことなんざ、
お前らには一生なさそうだな。
ま、そんな器でもなかったのを幸いに思えよ?
浪人:
なんだと……っ!
縁:
……もしあれと剣を交えるようなことがありゃ、片目で十分だってのがよーくわかるさ。お前らには剣なんぞ必要ないぜ……!

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