実彰：
花嫁行列のこともそうだ。
あなたたちは……あなたたちの正義が叶えられさえすればそれでいいと思っている。
黒羽さんの言う通りだった。
縁さんもそうだし、柳生様にしてもそうだ。
ふたりともなそうとしていることは正しいことで
あるはずなのに、そのための方法を選んで
いないせいで、手放しで認められない。
花嫁行列のこともそうだし、
今回のことにしても、徳川の人たちは私を
動かすために、店や周囲の人を人質にした。
それと同様に、黒羽さんに対しては私を
人質にして、やはり幕府の言うことを
聞かせようとしているのだ。
縁：
……大義を果たすためには、多少の強引さも必要なんだよ……っ！
香夜：
……！
その宣言通り、縁さんは刀を抜くと強引に
黒羽さんへと斬りかかる。
香夜：
（危ない……ッ!!）
黒羽さんはまるで最初から縁さんが
そうすることがわかっていたとでも言うように、
その一撃を腰から抜いた刀で受けた。
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