左京:
これが覚えられれば、基本的な
読み書きで困ることはないでしょう。
矢ノ彦:
うん! わかった。おいら、覚えるよ!
矢ノ彦は、左京さんの書いたお手本を見ながら
必死で、懐紙に文字を書き写している。
矢ノ彦:
い……ろ……は……。
左京:
そうそう、「は」の向きはこうです……。
矢ノ彦:
えっと……こう……かな。
左京:
そうです、とても上手ですよ。
矢ノ彦:
ほんとっ?
左京:
ええ。伸びやかないい字です。
香夜:
(ふふ、矢ノ彦ったら、すっかり
左京さんに懐いちゃったみたい)

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