ザクロ 「へぇ、噛みごたえも、ちゃんとあんだな。 ってオマエ、間抜け面になってんぞ」 イリヤ 「ふふ、今夜、時間をくれたお礼の口付け―― ってことで受け取ってよ」 ザクロ 「ま、そんなとこだ。 面白ぇモンも見れたし、じゃ、今度こそ行くぜ。またな」 #幽ロマ

ザクロ「俺にちゃんと守られてろよ……？　んっ」 イリヤ「オレと一緒に楽しもうね……？　ん……」 #幽ロマ

ザクロ 「つーわけで、馬鹿女。耳貸せ」 イリヤ 「じっとしててね。 まあ、両側にオレたちがいたら、動けないだろうけど」 ザクロ 「ビビんなくても、噛みちぎったりしねぇよ。 ……軽く痕つけるだけだ。 んじゃ、せーの」 #幽ロマ

ザクロ 「よし、用件は伝えたな。 じゃあ今夜はこれで帰るか」 イリヤ 「だね。……ああでも。 せっかくこの子を、こんな近くに感じられるんだ。 ただで帰るのはもったいないと思わない？」 ザクロ 「……あ～、なるほどな。 言われてみや、もったいねぇよなぁ？」 #幽ロマ

イリヤ 「……なんて、冗談だよ。そんな顔しないでおくれ。 何に変えてもキミは守ってみせるから、心配しないで。 いい子で、傍にいるんだよ？」 #幽ロマ

イリヤ 「ねぇ、怖くなったら、いつでも傍においで？ 優しく抱きしめてあげるから。 それでも足りないなら……そうだねぇ。 何も考えられないくらい、 か　わ　い　が　っ　て　あ　げ　よ　う　か」 #幽ロマ

イリヤ 「ふふ、わかりやすいねぇ。 ザクロは昔からこうなんだよ。 でも気持ちはよくわかるなぁ。 オレも気に入ってるからさ、キミのこと」 #幽ロマ

イリヤ 「格好いいねぇ、さすがはお狐さま」 ザクロ 「ぐっ……茶化すんじゃねぇ」 イリヤ 「照れちゃって。 ザクロが人間を守りたいだなんて、珍しいじゃないか。 よっぽどこの子が、お気に入りなのかな？」 ザクロ 「うっせぇよ、ほっとけ！！」 #幽ロマ

ザクロ 「ヤバくなったら、いつでも言え。 オマエはすぐ無理しやがるからな。 不安になったら、俺を頼れよ。 ……ちゃんと、守ってやるからさ」 #幽ロマ

ザクロ 「ま、オマエならそう言うと思ったぜ。 心配すんな。なんかあってもお狐さまが憑いてんだ。 ビビるこたぁねーよ。 ただ、その……」 #幽ロマ

イリヤ 「その噂のとおり、実際に行方不明者も出てる。 放ってはおけない状況だ。 そこで、オレたちが調査することになったんだ」 ザクロ 「俺とイリヤとオマエで、騒ぎの元凶を突き止めるぞ。 もちろん、嫌とは言わねーよな？」 #幽ロマ

イリヤ 「キミのお陰で、ひとつの『都市伝説』が消えた。 けど困ったことに、また新しい噂が広がり始めたんだ」 ザクロ 「なんでも真夜中の映画館に行くと、ありえねぇ映像が流れるとか。 それを見ちまうと、二度とそこから出られなくなる……ってな」 #幽ロマ

イリヤ 「そういうオマエこそ。 どさくさに紛れて、この子を抱きしめないで欲しいなぁ」 ザクロ 「蛇よけだ、蛇よけ！ そっちが馬鹿なマネすんのがいけねーんだろ！」 イリヤ 「はいはい、悪かったって。 じゃあ真面目に話そう」 #幽ロマ

イリヤ 「危ない目に遭ったなら、オレがいくらでも慰めてあげるよ。 優しく絡みついてあげるから……ね？」 ザクロ 「今はオマエが一番、危ねぇよ。 蛇を絡みつかせんじゃねぇ！」 #幽ロマ

ザクロ 「ああ、そうだった。 オマエ、この前は大活躍だったそうじゃねーか。 アラハギやトネリと一緒に、『都市伝説』をぶっ倒したんだろ？」 イリヤ 「お疲れ様。 危険なこともあっただろうに、よく頑張ったね。 怖くなかった？」 #幽ロマ

ザクロ 「みじぇっといんふぉってのは、妙な空間だな。 なんか隣にオマエがいるみたいだぜ……」 イリヤ 「ほら、わかったなら、そこまで。 耳たぶ、ふにふにしてないで放してあげて。 大事な話があるんだから」 #幽ロマ

ザクロ 「って、マジで感触が伝わってくる……。 頬も柔らけーし、髪もいじれるし、耳もつかめんじゃねーか。 なあ、オマエもわかんのか？ 俺の指がさわってんの」 #幽ロマ

イリヤ 「ああ、本当にさわれるんだ。 ふふ、抱きしめていると温かいね……。 このまま眠ってしまいたくなるよ……」 #幽ロマ

イリヤ 「キミとこうして夜を過ごせて嬉しいよ。 ねぇ、ここに取り憑いてると、キミに触れることが出来るらしいんだけど……少しお邪魔していいかな？」 #幽ロマ

イリヤ 「さて。お待たせ。 夜分に遊びに来て悪いね。 でも、オレたちのために起きててくれたんだ？」 ザクロ 「ま、当然だよな。お狐さまと蛇神が来てやってんだ。 どっかのバク野郎がうるさく言いそうだが、こんくらい夜更かしには入らねぇだろうし」 #幽ロマ