シュリ
っ……。
やっぱりキミは不思議な子だね。
ハルカ
えっ……。
ハルカ
(急に手を握るだなんて、
変だったかな……。でも……)
シュリ
こうして手を握ってもらうだけで、
さっきまでの不安が嘘みたいに
なくなってく……。
シュリ
ねえ。僕がどうしてあの日キミに
キスしなかったのか、分かるかな。
ハルカ
えっ……!?
ハルカ
(ど、どうして今そんなこと……)
シュリ
ふふ。本当はキミだって、なんでって
思ってたんじゃないの?
ここまで言っておいて、どうして?ってさ?
ハルカ
っ……そ、それは……。
シュリ
ふふ。知りたい?
だったら……教えてあげよっか。
ハルカ
っ……。
シュリ
……それはね。
そうしておいたほうが、キミの心の中に
強く残るんじゃないかって思ったから……。
シュリ
……僕の存在が、ね。……違う?
ハルカ
(っ……)
ハルカ
(確かに、あれから私は
気がつくとシュリくんのこと
ばかり考えてた……)
シュリ
言ったでしょ?
僕はね、キミのことが好きだよ、って。
シュリ
もちろんキミからも
僕と同じだけ好きになって欲しい。
シュリ
だから、そのために……。
ちょっぴり意地悪しちゃう。
こうして、ね。んっ……。
ハルカ
っ……!
ハルカ
(ほっぺに……!)
シュリ
キミが僕を本当の意味で
受け入れてくれるまで、
ちゃんとしたキスはお預け、だよ。
シュリ
ふふ。顔、真っ赤。
ハルカ
だ、だって……。