それは帝國スタア達の弐月拾四日(ばれんたいん)――

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それは帝國スタア達の弐月拾四日(ばれんたいん)――

 
 
ようこそ、「大帝國劇場」へ!
Rejetのニシオカと申します。
 
昨年と打ってかわり、晴れ模様のようですね。
 
 

ハッピーバレンタイン

 
 
さて、ところで続編となります
大正偶像浪漫「帝國スタア」 キネマトグラフですが、
舞台となりますのは大正も末期、1925年でございます。
 
この時にはすでに日本にチョコレートは普及しており、
値段こそははるものの、庶民にも何とか手の出せる
お菓子となっておりました。
 
もとは滋養を目的としたものだったとか。
チョコそのものの効果の事実はどうあれ、
確かに疲れているときには甘いものが欲しくなるというもの。
 
大帝國劇場の売店では果たして取り扱っていたのでしょうか?
個人的にはとても知りたいところです。
 
心優しきオーナーのことです。
お疲れの帝國スタアがいれば、
どうぞと彼らに手渡しているに違いありません。
 
 
 
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なんだ、チョコレート?
オレに? 安いものじゃないだろう。
しかし、ただ食べるだけではつまらんな。
そうだ、お前も食べさせてやろう。
……何をしている? 「食べさせてやる」と言ったんだ。
呆けていないで、口を開けろ。
 
 
 
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チョコレート?
知ってるだろ? 僕は甘いものが―
や、今のは忘れてくれ。頂くよ。
……別に無理なんかしてないぜ?
他の誰かならともかく……
キミからの贈り物を断れるわけないだろ?
 
 
 
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甘いものなら好きだよ。それがなに?
これを俺にくれるわけ? ……疲れてそう、って。
はぁ……それを言うなら、
オーナーのアンタの方が大変なんじゃないの?
……ありがとう。
 
 
 
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チョコレートを食べろと?
それは命令ですか?
それとも、ただのお願いでしょうか。
……冗談です。
ありがとうございます、オーナー。
 
 
 
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ああ、これか知っているよ。
もとは苦い飲み物だったんだろう?
それが今は甘いお菓子として売っている。
不思議だねえ。
ところで、おまえ自身は口にしたことがあるのかい?
……それなら、ほら、一緒に食べてみないか?
 
 
 
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なんだよ、チョコレート?
今の劇場はそんなものも置いてるのか?
余計なお世話だな、お前なんかから
気遣ってもらうのは心外だ。
待てよ……いらないとは、言っていないだろう?
 
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デレデレじゃねえか。

しかしまあ、デレつつも
誰も彼もが素直ではないのはやはり
帝國スタアとでもいいましょうか。

 

さてさて、短くはありますが
本日はこれにて仕舞です。

 

 

次回更新は遠からず。

 

 

時は大正――
 
戦後、暗い影を落とす帝都を照らす、儚い光。
 
そんな「光(スタア)」で有り続けた偶像(あいどる)たちとの貴女の物語。
 
 
 
 
 
 

乞うご期待!